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最近めっきり文学オヤジになりつつある私です。
ホント些細なキッカケで本を読むようになり、今では本が手放さない状態になりました。
しかし近年にかけて本が売れない時代になっているとの事です。
そんな出版市場の不況に起爆剤として取り入れられたのは「本屋大賞」。本屋さんの店頭でよく見かけますよね、文学オヤジの僕としては気持ち悪いので調べてみました。

本屋大賞とは、書店員による草の根的な活動として03年に生まれた文学賞。
著名な文学賞は選者が文学界の権威ばかりのなか、選者が本好きの代弁者ともいえる書店員という特性は画期的で、「読者の実感に近い文学賞」として人気と知名度を高めていった。
初回は299人だった参加書店員も、第9回は560人とほぼ倍増している。

大賞受賞作としては、第1回の『博士の愛した数式』(小川洋子)、第4回の『一瞬の風になれ』(佐藤多佳子)、第7回の『天地明察』(冲方丁)など、「知る人ぞ知る」作品を選出。
ヒット連発の実績は、文学賞としての地位を確立させ、「現場をよく知る書店員だから発掘できる良作」の期待も高めていきました。

しかし一方では、第3回の『東京タワー』、第6回の『告白』、昨年の『謎解きはディナーのあとで』など、受賞前に何十万部も売れたベストセラーが選ばれることに対する批判も受ける。
今回も、シリーズ累計発行部数が200万部超の『ビブリア古書堂の事件手帖』や、『舟を編む』『ジェノサイド』といった、増刷を重ねたり文学賞などで話題になったりした作品もノミネートされました。

本の玄人である書店の店員とはいえ人気投票ですからベストセラーが受賞してもおかしくないですよね。実際に素人の私は2012年今回の受賞作品『船を編む』は結果を知って買いにいったクチです。
しかし、僕とは違って玄人の人たちからすれば全然面白くないですよね。
その意味で、本屋大賞は隠れた名作を発掘するのではなく、『既に売れている本の中から、もっと売りたい本を書店員が選ぶ』賞なのでしょうね。


「本屋大賞 歴代」

第1回 小川洋子「博士の愛した数式」
第2回 恩田陸「夜のピクニック」
第3回 リリー・フランキー「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」
第4回 佐藤多佳子「一瞬の風になれ」
第5回 伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」
第6回 湊かなえ「告白」
第7回冲方丁「天地明察」
第8回東川篤哉「謎解きはディナーのあとで」
第9回三浦しをん「船を編む」