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毎年恒例となったアイドルグループ「AKB48」の選抜総選挙。
そんなAKB総選挙をビジネスとしてどう見るか、私がファンであるジャーナリストの「池上彰氏」が日本経済新聞で紐解いておりましたので紹介します。

 この総選挙は、日本古来の「タニマチ」文化の応用で、タニマチとは、もともと相撲界の隠語。
相撲取りのひいき客の事を指します。「好きな力士に横綱になってもらいたいから応援する、大好きな人のために大量の票を集中させる。」 同じ精神です。
さらに言えば、夜の銀座の商法でもあります。
馴染みのクラブホステスから「ライバルのあの娘に負けたくないから、売上ナンバーワンになるために協力して」などと頼まれたら、鼻の下を長くして思わず高額な酒を注文してしまいます。昔から続く手法の現代版と言えます。
さらに、総選挙では最近の「マスマーケットから個マーケットの深化」というビジネスブランドも見えてきます。不特定多数の消費者を対象とするのではなく、一部の優良客を囲い込んで継続的に販売していくリピーターを確保する形です。
音楽の世界だと、かつて「美空ひばり」「山口百恵」など、国民的人気を誇る歌手がいて、大量のレコード・CDをひとりで売り上げていました。
しかし、趣向が多様化し、昔のようなマーケットは消滅しました。そうなると少数の熱心なファンに大量に買ってもらえばいいということになります。

 今回1位になった「まゆゆ」こと渡辺麻友は15万を超える票を獲得していますが、何も15万人が投票したわけではなく、ひとりでCDを何枚も買ってくれた人たちがいたからトップになれました。しかもAKBのメンバーは多数の芸能プロダクションに分かれて所属して、人気が高まれば各プロダクションの利益も増える。ウィン・ウィンの関係からみんなで総選挙を盛り上げることができます。


4社会の流行の背後にある戦略をつかむ。不動産会社と言えども各方面から社会を見る目を養わなければならないですね。