私どもは、ご存知の通り新規出店のお手伝いを生業とさせて頂いております。お客様には全国的に多店舗を展開するナショナルチェーンあり、地元福岡で店舗数を増やしていこうとする企業様あり、独立開業を目指す個人の方など様々です。
　契約に至るまでは調整など大変ですが、オープンを迎えた時や繁盛した時、お客様の笑顔に私たちは支えられています。

　オープン、スタートを切られたすべてのお客様にうまく行って頂きたい、全社員そんな気持ちを持ってはおりますが、中には残念ながら経営がうまく行かないケースも出てきます。
　つい最近、そのようなことがありました。
タイトな資金でオープンしたのもつかの間、集客がうまく行かず1年も経たずに資金ショート、退去せざるを得ない状況。
　
ご相談があって最初にお客様（Ａ氏）の口から出たのは、覚悟はしていましたが立地に関する恨み言でした。仲介する際にその部分はしっかりお伝えしていたの
ですが、Ａ氏もそう言うしかないのはよく理解できます。ただ、私自身が何をすべきか自問自答して出た結論は、Ａ氏のこれからの人生を組み立て直すお手伝い
ができるかどうか。
これからのこと、いろんなお話をさせていただきました。
「時間はかかったとしても再起したい」－そんな言葉を受け、各業者・金融機関への残債をきちんと支払い、Ａ氏の奥様、お子さんと言った家族の生活を支えるため、何ができるのか？

いろんな方にご相談、ご紹介をしました。先日「ご紹介いただいたお店にご縁があり、お世話になることに決めました。精一杯がんばって見ます」とのご連絡が入りました。
先ほどの支払いなど考えると、満足できる待遇ではないのは知っています。ただ、自分に与えられた環境の中で、腹を決めて再スタートを切るんだという決意の言葉、大変嬉しく思えました。

　私共はお客様含め、人生の重要なシーンに多く関わる仕事です。
普段、いろんなお客様と複数案件のやり取りをさせていただいています。軽く考えているわけではなくとも、人生をかけている方々を相手にしているとの認識が薄れがちです。
だからこそ、日々深く考え行動する、逃げない、その大切さを改めて思い知らされた出来事でした。