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日常の業務のなかで、私たちは常に調整役としての役割を担っています。
貸し手の要望や制限があり、一方テナントから、看板設置、出入り口の変更などお店の内容による交渉があります。
お互い事業を成り立たせるため真剣勝負が繰り広げられるなかで、ひとつ調整事項がクリアできたと思ったら、別要件の問題が浮上することはよくあることです。

さらに、建築基準法や消防法など法令を遵守した結論を導き出さなければなりません。
そのときに確認した市役所のコメントや消防署の見解など、書面には残してくれないことで重要な決定事項に至っていることもあります。

契約の当事者双方にとって交渉ごとになるような項目を予測すること、また将来問題になりそうな事案に気づいて解決方法を提案することは仲介業の大切な任務です。
担当者の経験からもたらされる想像力がそれにつながりますが、別の言い方をすれば頭のなかに現れるノイズみたいなものです。

我々の仕事は成功報酬であり成立後に手数料が発生しますので、契約締結を急ぐ心理は当たり前に生まれます。というより担当者がその推進力をもっていないと交渉がすすまなくなってしまいます。
ただし、できるだけ早く問題なくすすめたいという心理が強すぎると、事案を都合よく解釈してノイズが生まれず、問題を潜んだままにしてしまう事態に陥ることもあります。
私は、ノイズの発生感度、ノイズから解決手法を導き出す知恵こそその会社の強みと捉えていて、それが会社全体で共有され仲介業務としての任務をしっかりこなせるようになれば、他社との差別化は確実にできると信じています。

ノイズ発生の感度がどうか、まず自分に問いかけます。
そして部下にそれを伝えられるようにしていきたいと思います。