Blog list


11月に入り、急激に冷え込んできましたね。皆さん風邪などひいてませんか?
日本は四季の移ろいが美しく、良さでもあるのですが、一方で季節の変わり目は体調には応えます。十分ご注意されてくださいね。

最近、私どもが携わる仲介と言う仕事、心の置き所や大切にすべきことを常に考えておかないといけないなあと感じることが増えています。

仲介・仲立ち、文字通り双方当事者の中に入り、それを取り持つことです。
賃貸であれば貸主と借主、売り買いであれば売主と買主ですね。
仲介にはいわゆる両手、片手があります。
両手は貸し借り、売り買い双方の真ん中に立つこと。
片手は貸主・借主、もしくは売主・買主どちらかに立ち、代理人的な立場で交渉を進めることです。

両手の場合、仲介業者が何を考えて事に当たるか?
私の場合は、経済条件・時期・その他交渉事になりうるポイントの中に、ある程度常識的と思われる落としどころとスケジュールを設定した上で、双方から意見・要望をヒアリングしつつ、そこに近づけていきます。
その時に大切なこと、まずはスケジュール及び仲介人としての見解を伝えることです。
加えて出来る限りいろんな角度から双方の状況・意向をヒアリングすることでしょう。そうすることで、「まさか」の事態はかなり避けられます。

いま、難しいなあと感じているのは片手、どちらかの代理人的な立場で仕事を進めることです。
この場合は、相手にも不動産業者が入っているケースがほとんどです。
相手方の不動産業者とも交渉から契約締結、もちろん工事からオープンまでのスケジュールに関しては共有し、できる限り守るべく調整をするわけですが、自分の依頼人からの様々な意見・要望には誠意を持って相手方に主張していかなくてはなりません。
それが、無理難題であれ、契約を壊すリスクを秘めている内容であれ、倫理観に照らした時にどうかな?と思う内容であっても、依頼者に見解は述べたにせよ、代理人的立場である以上貫かなくてはなりません。
相手方の意見が正しいと思っても、あくまで自分が守るべきは依頼人の利益であり、依頼人が○を●と言うのなら、○を●にすべく懸命に取り組まなくてはならない。
いわゆる一般常識、相場でモノを言う前に、ありとあらゆる角度から○を●にすべく研究し、努力したか?そこが問われてくるのだろうと。

我々の属する宅地建物取引業の世界でも、両手は望ましくない、そんな論調を耳にします。
ただ、当事者が代理人を立てて、自らの主張を通す場合において、交渉決裂のリスクは高くなりますし、もしどちらかが譲ってまとまった場合でも、その後の関係は良好なものとして構築できるかどうかは疑問を感じます。
目的達成の為には手段を択ばない、そういった部分も必要なケースはあります。

ただし、その結果として何が起こる可能性があるのか、お客様に置かれても、代理人として動く仲介業者に置いても、そこはしっかり考えておくべきではないかと。
「無理を通せば道理は引っ込む」
大切な情報網、応援して下さる方を失うリスクも孕んでいるのです。
地域に愛される、必要とされる不動産会社を追求していく以上、それは忘れてはならないなと。

社員に関してもそこまで苦しむ可能性のある、信用を棄損する可能性のある仕事に携わるべきか。
そこはしっかり考えておかなくてはならないなと思っています。