2019年の日本シリーズもソフトバンクホークスが4連勝してジャイアンツを退け見事日本一に輝きました。ハラハラドキドキ感が少ないまま4タテし、圧倒的な強さを見せつけた形となり物足りなさを感じたほどでした。
福岡ダイエーホークス パリーグ初優勝…福岡の地でチーム創設から10年間、優勝どころか負けが続きバスのなかに座る王監督をめがけて卵を投げつけていたファンがいた弱小時代がありました。王監督に続き秋山選手の胴上げの後、工藤投手が胴上げされたときから20年がたち監督として三度目の宙を舞った工藤監督。　
本当に強い野球を見せてくれました。
その強さのもとは、何と言っても選手層の厚さ。今シーズ序盤から柳田をはじめ多くの主力選手がケガで出場しないときが続きました。それでもほぼ首位をキープし最後は西武の打線が爆発し逆転優勝をきしましたが、主力選手がケガから復帰したクライマックシリーズ、日本シリーズでは圧倒的な強さで日本一をもぎ取りました。

西武とのクライマックスシリーズ1戦目、8回のチャンスに回ってきたCS男内川に代えて長谷川を代打に送った工藤監督の采配に象徴されるように、ここぞというしびれる場面で結果を出す控え選手の力は他のチームとは一線を画しています。
打てなければすぐ実力のある控えの選手に交代させられ、さらに2軍にも虎視眈々と1軍昇格を狙う若手がいて、千賀や甲斐など育成出身の選手が力をつけていくというソフトバンクホークスの組織力がかなり機能しているのだと思います。
ただしその裏にあるのは、レギュラーといえどもいつでも実力ある選手と交代させられるという危機感…おそらくすべての選手が相当な恐怖と戦っていることでしょう。それは想像を絶する緊張感となり選手の日々の鍛錬につながっているのだと思います。

我々が気づかないうちに消えていく選手もたくさんいるのも事実である勝負の世界、プロの世界の厳しさ…　本当に卓越したものを持った人間にしか成しえない世界にいる選手の方々に心より敬意を表し優勝を祝福したいと思います。