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お盆を過ぎて、ずいぶん朝晩は過ごしやすくなりましたね。

昔から「暑さ寒さも彼岸まで」と言います。

異常に暑かった今年の夏も過ぎ行くんだなと、季節の移り変わりを感じることが出来るようになりました。



少し前の話ですが、今年のお盆は家内の実家のある長崎で過ごしました。祖父がなくなったため初盆とのことで、早くから義父より「いつ来るのか」と何度も連絡があっていたようです。と言うのは、14日に実家に着いてはじめて分かりました。駐車場に大きな精霊船が鎮座していました。

nagasaki

長崎の精霊流しは特別だと聞いたことがありましたが、聞くと家族で一ヶ月前から船の製作から飾り付けをした上で、15日の練り歩きに備えるわけです。家内の実家でも親族が県内をはじめ、福岡・神奈川、遠くは単身赴任先のベトナムから、そのためだけに戻ってきていました。



当日は白装束に身を包んで約2時間、街中を練り歩きしながら数百箱の爆竹、花火をとどろかせました。観光客の姿もたくさん見受けられ、街のメインストリートでは舟を何度も回転させる引き回しの光景も見られました。ある意味、お祭り騒ぎの様相ではありましたが、船の前方中心には祖父の写真が飾られ、親しかった親族は写真に「じいちゃん、立派な船が出来てよかったね」話しかけていました。



硝煙の匂いが立ち込め、派手派手しい光景は一見すると狂騒と見られるかもしれませんが、死者をにぎやかしく送り出したいという家族の優しさの表現なんでしょう。



個人主義が進む現代の流れにおいて、都会に身を置いていると何でも簡略化してしまいがちですが、今回の体験は家族とのつながり、温かさを感じることが出来た貴重な経験だったように思います。