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いわゆるスルガショック以来、銀行の不動産に対する融資姿勢が大幅に変わりました。

スルガ銀行とかぼちゃの馬車、TATERUで騒がれた個人投資家への融資。

これは審査基準を自ら壊してまでも融資額を大幅に増やしたい銀行、実際にスキーム通りの運用ができないとわかりながら商品化したデベロッパーと片棒を担いだ仲介会社の責任はもちろん大きい。

詐欺行為であることは間違いないです。

その被害者である個人投資家、時折匿名でテレビ、雑誌などで語る姿を目にします。

ただ、「投資家」と名乗る以上、自ら調べもせずそのスキームに乗ってしまったこと。自己責任と言わずを得ないでしょう。

スルガ銀行は、私ども不動産取引を仲立ちする中で、投資家にとっての最後の砦でした。

都銀や地銀に断られた投資家がどうしても物件購入をしたいとき、金利は3~4%と通常金利の3倍、4倍ではあっても融資してくれる。そんな存在です。

投資家にとって、普通銀行への不満は非常に多いものです。

「なんで金額が出ない?」「なぜ期間が短い」

そんな案件は非常に多いものです。

そこに道筋をつけ、融資してくれるスルガ銀行はありがたい存在でもありました。

もちろん、破たんするケースも通常案件に比べれば多いでしょうが、ブルーオーシャンであり、存在意義はありました。

週刊ダイヤモンド誌で少し前、銀行のランキングが掲載されていました。

そこではスルガ銀行元頭取がトップにランキングされており、その経営手腕がほめそやされていました。

金融庁・日銀の顔色伺いをする普通銀行と一線を画す同行の方針は際立っていただけに、自社の融資基準だけは明確にしていてほしかったと、今回の騒動が残念でなりません。

今、大多数の銀行は不動産融資に対して消極的になりました。

各支店の担当は顧客からの融資要望に対して一生懸命動いています。

ですが、本部は否認。結局、支店の営業担当はやる気をなくしていきます。

素晴らしい方は何人もいるのに、彼らの目が死んでいくのが本当に残念でなりません。

売上・利益は減り、そのカバーのためか、口座引出、両替などの手数料値上、有料化に手を付ける始末…。

そんな金融機関に対して、顧客である企業は見切りをつけていくでしょう。

不動産投資に限らず、積極的に融資をして良い、そんな神(金融庁)の声が響いたとしても、一度失った信用を取り戻すのは簡単ではありません。

金融機関ですから、守るべきことが大切なのは分かりますが、事業として先見の明を持ってほしい。

基準をしっかり持つべき、そう思うのは私だけではないかと考えます。